2007年6月18日月曜日

経営学 レポート(工場組織の構造)

《経営学入門》第九章 組織と個人、経営の働きかけ

演習問題:
1.経営の手段変数から個人の基礎要因への働きかけを経て個人の業務行動と学習へと至る長い影響の道のりを、ある工場のマネジメントを例にとって具体的に詳しく述べてみなさい。たとえば、工場長の取る経営の手段から生産現場の工員さんの行動と学習までを、工場長が決める工場組織の構造の具体的措置を出発点に考えてみなさい。

組織マネジメントの全体像:

┏━━━━ ━━━┓
┃ ・組織業績   ┃
┗━━━━ ━━━┛
     ↑
┏━━━━ ━━━┓
┃ ・業務行動   ┃
┃ ・学習      ┃
┗━━━━ ━━━┛
     ↑
┏━━━━ ━━━━┓
┃・意思決定      ┃
┃・心理的エネルギー┃
┗━━━━ ━━━━┛
     ↑
┏━━━━ ━━━┓
┃ ・目的      ┃
┃ ・情報      ┃
┃ ・思考様式   ┃
┃ ・感情      ┃
┗━━━━ ━━━┛
     ↑
┏━━━━ ━━━┓
┃ ・戦略      ┃
┃ ・経営システム ┃
┃ ・理念・人    ┃
┗━━━━ ━━━┛
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・戦略による働きかけ                                  ┃
┃  戦略の内容の明確な伝達は、部下の目的への影響というインパクトを持つ。┃
┃  さらに、戦略の伝達は、部下の情報の認識思考様式にも影響を与える。┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 戦略:
  サービス、製品、顧客、市場、システムなど

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・経営システムによる働きかけ                             ┃
┃  部下の心理や性癖を考慮に入れながら巧みに設計し運用することによって、┃
┃  部下の4つの基礎要因に微妙な働き掛けができる。              ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 経営システム:
  組織構造
  インセンティブシステム
  計画とコントロールのシステム

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・理念と人による働きかけ                                ┃
┃  リーダーに人々が付いていく現象を利用する、 →目的、感情       ┃
┃  部下(人)を働きかける以前に経営側が選択する。 →合う人の選択     ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 理念と人:
  理念(目指すところ、組織文化)
  人(属人的リーダーシップによる働きかけ; 部下の選別、育成、配置による働きかけ)

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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・組織構造                                         ┃
┃  人々の役割を決めるシステム。      役割意識→思考様式         ┃
┃  組織内のコミュニケーションシステム。 情報伝達→情報、思考様式     ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・インセンティブシステム                                    ┃
┃  給料業績連動システム。          目的達成→感情、売上上昇目的内在化┃
┃  うれしくなる、いい思いをするシステム。 潜在(自己達成)目的→思考様式    ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ・ 計画とコントロールのシステム                               ┃
┃  業績測定システム。      評価、自己評価→(指摘の仕方による)感情     ┃
┃  フィードバックのシステム。  自ら計画、改善→思考様式              ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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工場の場合について議論しましょう。

工場で取る工場組織の構造の具体的措置は、
①役割分担を決めるシステムを決めること
②情報の伝達とコミュニケ―ションシステムを決めること

たとえば、役割分担システムは
①注文をとって、納期に間に合う生産の順番、速度を決め、管理し、生産技術を改善させる部門、
②注文に合わせて、製品をデザインするたり、新製品を開発する部門、
③デザインした図面に合わせて、生産工程を作成し生産者を配置する部門、
④生産の品質を確保し、悪い製品を取り除く部門

情報伝達システムは、
①注文の情報を素早く各部門に伝達する仕組み、
②生産過程で発生したトラブルを生産管理、品質管理、工程管理の責任者に伝わる仕組み、
③良品の生産率の低い場合、生産技術の改善、デザインの改善で応対するシステム、
④評価と改善の情報の伝達の仕組み
以上のように仮定します。

工場長はこうした仕組みを作って、それに合わせた人員の選別、配置を果たさなければいけない。

さて、部下の行動を見てみましょう。

Aが会社の中に入って、大学新卒で、経済学を勉強していた。
A自身はミクロ経済が好きで、工場の管理に興味を持っているそうだ。
一か月の研修を経て、HR部門のあっせんで、生産管理部門に配属された。
 (目的、適性による組織構造(経営システム)の達成)→目的

Aがその役割を果たすために、一生懸命会社の製品の特徴、生産の長所と短所を勉強し、会社の顧客のニーズも先輩からいろいろ聞いた。
しばらくの事務仕事をしたら、Aが担当しているお客さんから注文が来た。
彼は先輩にいろいろ聞きながら、各部門に配る書類を作成し、その上、自分の仕事の進行度、及びこれからの取り組みを上司に伝えた。
 (コミュニケーションシステムによる学習、現場の自己組織性)→情報、思考様式の学習;独立の信頼からもらったポジティブな感情

その上司が、報告とAの周りの人からの聞き込みより、Aにいろいろアドバイスをしていた。
Aがそのアドバイスにしたがって、翌週の仕事の計画を自ら進んだ。
 (計画コントロールシステム、個人の自律性)→評価vsフィードバック、感情

週明けに、部門の責任者が会社の計画、目標、部門の目標を部下に伝え、先週の反省点と、優秀な成績を表彰する。Aが自分でも表彰されたいと思って、今週こそ頑張ろうと思った。
 (インセンティブシステム、戦略とリーダーシップの働きかけ)→感情、思考様式、目的

Aの努力と周りの人との助け合いで、一つのプロジェクトが順調に終わった。
上司に褒められて、さらに周りの人と深いコミュニケーションができるようになった。
Aが何となくこの仕事を選んで、よかったと思い始めた。
 (インセンティブシステムの働きかけ、業績を上げる潜在目的の育成)→感情、目的、情報

2番目のプロジェクトが会社にとって、もっと重要なものになった。
Aが信頼されると感じる一方、プレッシャーを感じた。
生産部門とのぎくしゃくが生じて、どうしても納期に間に合わない事態が生じてしまった。
Aが手に負えないので、上司に伝えて、生産の調整を行ってもらった。
工場長がそれを聞き、生産管理の人に、生産工程の勉強をさせ、部門間の新たなコミュニケーション機能を情報伝達システムに加えた。
Aが反省し、落ち込んでいたが、上司と相談してから、少しほっとした。
 (計画とコントロールシステムの改善、インセンティブの働きかけ)→情報、思考様式、感情

Aがこのように、成長し続け、業績に合わせた給料をもらうような仕組みがとても気に入った。
挑戦し続け、将来企業の統括する人間になろうと思った。
 (インセンティブシステム、業績を上げることを目的に)→目的、思考様式、感情

このように、Aが組織の中で、いろいろな決まった働き掛けの中に、成長していき、組織化され、
自分での意思決定、心理的なエネルギーを高め、業務行動と学習を自ら行うようになり、
結局、会社の業務実績につながり、Aと会社ともにハッピーな状況に導くことが可能になる。

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これについて、工場長が作った「戦略」、「経営システム」、「理念・人」の働きかけがどれほど機能を発揮したかを評価しましょう。

工場長は自社製品を素早く、質高い製品をお客さんに届けるために、いろいろ工夫をした。
生産管理の人がいなければ、生産の進行度の把握、お客さんとの交渉が成り立たなくなる。
製品を企画、設計する人がいなければ、会社が成長しないばかりか、製品そのものが作れないことになる。そして、実際に生産する人、高い品質を保つために管理、監査する人も要る。

分業、部門化により、ノウハウの伝承、役割分担からの組織化(思考様式学習)ができる。

さらに情報伝達システムにより、仕事の間違ったやり方を直し、効率的なスケジュールを作らせる。
逆行の理念、戦略の伝達も、部下の共鳴を引き出し、仕事についての理解と目的意識を深める。

情報伝達により、仕事の熱意を引き出し、組織文化からの組織化(思考様式)を育成する。

こうした組織構造は、おもに部下の思考様式に働きかけ、「わが社らしき」行動をさせる。
その上、適した部門化は自己組織性を引き出し、感情に働きかける。
適したコミュニケーションの様式は、上司からの励ましになり、組織の改革及び活性化につながる。
こうした環境での業務と学習、加速化するに違いないでしょう。

失敗したシステムを作ったら、部門間、上司と部下の間、個人と会社の間、いろいろ噛み合わない事情が生じて、さらに素早くシステムを改善する努力が欠けていたら、効率の悪い作業はもちろん、最悪な場合、会社の名誉をなくす行動、組織を崩壊させる行動が社員の中に起きかねないのである。

しかし、改善はシステムが改善したらすぐ業務に反映するものではない。
長い道のり(→4要素→意思、心理→業務行動、学習→実績)なので、ひとつ欠けたら実績のトレンドが変わらないでしょう。
社員の素質と意思決定が実績を決めているのなら、社員を選抜し、育成し、そして感情に大きな寄与をするのは工場の組織構造といえよう。

すなわち、健全とした組織構造は、会社に長期的な影響を与えることになる。
社風、世評と同じ重要さであろう。

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